アージリスの未成熟―成熟理論とは?

教育指導の場などで、ファシリテーターを目指す人必須の用語、今日お伝えするのは「アージリスの未成熟―成熟理論」です。

ファシリテーションスキル向上目指して精進していきましょう。

「アージリスの未成熟―成熟理論」の意味

アージリスはマズローの欲求階層説を基礎にして、人間は成熟の程度に応じて、それぞれ成長の方向に向かってみずからの欲求を表明すると考えた。

そして、労働の過程で自己実現を目指す「自己実現人」であると仮定し、組織の中の人間行動を説明しようとした。アージリスは、人間が年を経て成熟する過程に以下の7つの人格的な変化があるとしている。

未成熟成熟
自己認識の欠如 自己統制
受動的 能動的
依存 独立
単純な行動 多様な行動
浅い興味 深い興味
短期的な展望 長期的な展望
従属的対等・優越


アージリスは、官僚制組織など伝統的な組織には人間を未熟なままに置く条件がそろっており、「成熟」を希望する構成員のモチベーションが低くなると考えた。そして、この悪循環を断ち切るため、「職務拡大(職務の水平的拡大)」「感受性訓練」を提案している。

アージリスはこの考え方に基づいてある実験をしました。専門家が指示した工程に従って働いていた12名の女性工員に対して、1人1人好きなように製品を組みたてるように提案しました。製品に自分の名前を書き、自分で梱包するなど、現在のボルボ方式とかセル方式といわれる組みたて方を取りました。

実験開始後1ヶ月は女性工員がこれまでと大幅にやり方が異なり、混乱したため、70%も生産性が低下しましたが、その後回復し、15週目の終わりには過去最高の生産高を記録しました。ミスや無駄によるコストは94%、苦情件数は96%も減少しました。

この実験から、個人の責任を拡大することが個人にとっても組織にとっても有効であることがわかります。また組織は組織構成員の自己実現欲求の満足化のプロセスと組織目標の遂行プロセスとを一致させるようにすることが重要になります。これらのことから、アージリスは職務における能力発揮の機会を増やす「職務拡大」や、職務内容の決定にメンバーを参加させる「参加的リーダーシップ」の必要性を主張したのです。


ファシリテーションスキルアップには、めげずに何度もチャレンジすることです。恐れずに自分のよさを発揮していきましょう。